tenjuu99(天重誠二)'s avatar
tenjuu99(天重誠二)

@tenjuu99@hollo.tenjuu.net · Reply to tenjuu99(天重誠二)'s post

高市発言、再度聞きなおしたけど、「中国が台湾を武力制圧した場合に存立危機事態に成り得る」とは、基本的には米中が開戦状態の場合にという暗黙の留保がついているとおもう。この留保が抜けた発言があって、そこが失言なのは間違いない。中国と台湾の軍事的関係だけで、日本がただちに参戦すると聞こえるような発言があるけど、これは公式の政府見解では存立危機事態にはならないはずで、ただし、実際にはその際のシミュレーションはしているとおもわれる。従来の政府見解が維持されているのであれば、米軍が攻撃された場合にという留保はついているし、高市も基本的にはそこに沿って発言してはいる。 「中国と台湾の軍事的衝突がおきた場合に、存立危機事態にはあたる可能性がある」ということを明言するのが失言なんだけど、これを撤回すると、「存立危機事態にはあたらない」と言うことになり、中国と台湾の軍事的衝突がおきたときには日本はなにもしないと明言することになる。それだと抑止力にならないから、撤回はそもそも困難になっている。それがいわゆるあいまい戦略だとおもう。

で、そうすると、そもそも「存立危機事態とはなんなのか?」ってことになる。この「存立危機事態」は、「集団的自衛権」の名において抑止力として機能させる狙いがあるわけで、「存立危機」の認定範囲は限りなくあいまいにしておかないと抑止力として成立しない。

tenjuu99(天重誠二)'s avatar
tenjuu99(天重誠二)

@tenjuu99@hollo.tenjuu.net · Reply to tenjuu99(天重誠二)'s post

自分がこれに賛同できないなとおもったのは、「戦略的あいまい性」をある意味肯定しておきながら、高市発言の撤回を要求しているためだなと理解できた。戦略的あいまい性というのは、「敵国がなにか関係国・地域にたいして軍事的行動をとったときにこちらも軍事行動をとるかもしれない」というような集団的自衛権の概念をもとにした抑止力効果を期待してのことで、あいまい戦略が有効=抑止力があると見做すのであれば、高市は発言を撤回すべきではない。

https://www.change.org/p/no-war-高市首相の-存立危機事態-発言の撤回を求めます-高市総理の発言撤回を求めます

そもそも、平和主義の左派なら抑止力以外のロジックを組んで批判する必要があるのに、この署名の場合、軍事的抑止力はまるっと残存することが暗に期待されてしまっている。