
tenjuu99(天重誠二)
@tenjuu99@hollo.tenjuu.net
黄金町の歴史にはくわしくないけど、自分がこの問題について考えたのは『身売りの日本史』を読んだからだった。長いけど引用しておきます。
"じつはつい最近、二一世紀に入ってから国外からのインパクト(外圧)によって、日本には人身売買罪がないという事実(不備)を突かれることになる。きっかけは2004年(平成16年)版のアメリカ国務省作成の報告書、いわゆる『人身売買白書』で、日本がレベル2監視対象国とされたことであった。 2000年、性的搾取や臓器売買などを目的とする人身取引(Trafficking)を禁止する目的で、国連は「国際組織犯罪防止条約」人身取引補足議定書・密入国議定書を採択した。日本も署名はするものの、批准したのは2005年のことである。 すぐさま対応をはかったアメリカは人身売買被害者保護法を制定し、翌2001年より『人身売買白書』を公表しはじめた。この白書では世界約140か国と諸地域を対象に、反人身売買に関する取り組みを国・地域としてどれだけ努力し、またその成果がどれほど達成されているかランク付けされた。ランクは四段階からなり、レベル1は基準を満たす国、レベル2は基準は満たさないが努力中の国。レベル2監視対象国は現状の改善が図られていない国、そしてレベル3は基準を満たしていない国である。2004年発表の白書において、G8(主要先進国)のうちレベル2監視対象国は日本とロシアのみであった。 報告書では、日本へ海外から女性・子どもが送り込まれ、売春や労働を強要され搾取されている、その背景には暴力団の関与がある、日本には人身売買を防ぐ包括的な法律もないと、その対策の不備を指摘された。つまり、人身売買の実態より、むしろ国としての取り組み度合いが評価基準であった。(略) バブル契機時代の1970年代以降、アジア各地や諸外国から人身取引されて日本に送り込まれた女性たちが、借金の形に風俗業などで売春を強要されていた。当時「じゃぱゆきさん」と呼ばれた。この問題の根底には南北問題など複雑な背景があるが、日本は人身売買された女性の受け入れ大国と見なされていた。"