
tenjuu99(天重誠二)
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1969年、各美術大学での学園闘争について針生一郎が書いた「バリケードのなかの芸術」という記事がかなりおもしろい。いまはない熱気だ。針生が教えていた多摩芸術大学(多摩美とは違う)でバリケードによる全面封鎖があったので、それに関連して書いたものらしい。当時の大学闘争は、理事会権力との闘争という側面もつよいが、教育の変革という面もおおきいことがうかがえる。バリケード内で自主的な教育機会をどう作りだしていくかが模索されていた、というようなことも興味深い。
闘争に参加している多摩美の学生のコメントは、いまでもこういう問題はある。
"バリケード反対派は、作品のなかで闘争しているというけど、両者の回路がちがうことを抑えておかないと一元論になってしまう。制作こそ闘争という表現のレヴェルだけではとらえられない。政治行動が表現だという、もうひとつの合理化もダメだ。ぼくらの状況打開と表現は同時的にあるけど、回路がちがう。"