
tenjuu99(天重誠二)
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なぜか戦後の共産党のことについて調べていて、1986年志位和夫が31歳のときに書いた論考が2本掲載されている本を読んでいた。本の内容はまあひどいもので、東大の大学院生だった「伊里一智」が党大会で反党的行為を行ったから除名したのだが、それを共産党一同でやっつけるというものである。志位和夫の論考は『変節者のあわれな末路』と『退廃と遊戯の「哲学」––浦地実「〈ポストモダン〉と唯物論」批判』。 https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/11923475/1/1
志位の論考は凡庸そのものと言っていいけど、ほぼ内容が変わらない論考を他の人も書いている。党の公式見解にしたがって「批判」を展開するから金太郎飴のような論述にしかならないわけで、誰が書いても一緒。志位が「批判」するのは、「伊里一智」と「浦地実」という二人だが、おそらく同一人物と見做している。ここでおこなわれる「批判」は反論を求めるような開かれたものであるというより、共産党の公式見解の反復でしかなく、またその読者として想定されるのも共産党員、というより宮本顕治書記長だろう。きわめて内輪なものを感じる。志位の哲学的センスが致命的に悪いとおもうが、党公式見解の外部がないのだからどうしようもない。 共産党が党勢を拡大できず時代遅れになったのも仕方がない。