
tenjuu99(天重誠二)
@tenjuu99@hollo.tenjuu.net · Reply to 関貴尚's post
@seki_takanao 「象徴形式」論考で、ルネサンス遠近法が後に図学から数学へ発展する系譜を辿っているんだけど、そこでのパノフスキーの論点は、デザルグの射影幾何学の登場は空間に対して視点を自由に操作できるようになったというもの。これによって、空間は視点から独立した存在になったと論じるんだけど、こういう空間の自立性はもはやカント主義から離れている。
ここからは「象徴形式」論考に書いてない話なんだけど、この空間の自立を論じるのは、あきらかにキュビスムの複数視点の背景の説明で、つまり世界は視点から自立している。 ルネサンス=カント主義との対比では、空間と主観の関係は不即不離で、人間中心的世界観がその中心にあったんだけど、マルクス主義とキュビスムの台頭は、この人間中心性が崩れていて、世界が人間から自律的に作動している、その世界観の象徴としてキュビスムがある。