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コンタクト・ゾーンの文化人類学へ ––『帝国のまなざし』を読む 田中雅一 https://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~contactzone/repository/001/tanaka.pdf

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わたしは,かつて人類学が対象にしてきた他者を,「未開人(プリミティヴ)」,農民(ペザント),性的異常者(パヴァート)の3つに分けて説明したことがあった。(...)19世紀から20世紀にかけての西洋にとって他者とは未開とオリエントであった。オリエントは文明社会ではあるが,しかし,過去の文明である。そして,西洋のみが未来に開かれた文明であると考えられていた。 1950年代になると,今度は農民(peasant)が対象として研究は確立されていく。これが第二の他者である。(...)農民研究の対象は,文明,つまり文字のある世界ではあるが,都市ではなく田舎である。(...) 1970年代になると都市人類学が確立するが,しかし,やはり都市においても,結局人類学はマイノリティを対象とすることになる。(...)都市に住む少数民族(エスニック・マイノリティ)に目を向けた人類学は,今日,その射程に同性愛を典型とする性的マイノリティをとらえつつある。これらの他者が,今までの人類学の変遷を端的に物語っている,とわたしは理解している。 それを簡単にまとめれば,地域的な周縁性,つまり未開人(ヨーロッパ社会を中心とする世界の周辺)や農民(都市を中心とする国家の周辺)から,性的異常者という,より不可視な周縁性へと移ってきたということである。